伸びすぎた芝生が茶色になる原因は?解決策と復活させるための手順

庭の芝生が伸びすぎたため短く刈り込んだところ、一面が茶色くなってしまった。このような状態になると、芝生が枯れてしまったのではないかと不安になる方もいるでしょう。

芝刈り直後に芝生が茶色くなった場合、考えられる原因の一つが「軸刈り」です。葉を短く刈りすぎて緑色の部分が失われ、茶色い茎や葉の根元が目立つ状態を指します。

ただし、芝生が茶色くなる原因は軸刈りだけではありません。水不足や病害虫、季節による休眠など、さまざまな要因が考えられます。原因に合わない対処をすると、かえって状態を悪化させることもあるため、まずは芝生の状態を確認することが大切です。

この記事では、伸びすぎた芝生が茶色くなる原因や、状態に応じた回復方法、再発を防ぐための管理方法を解説します。

伸びすぎた芝生が茶色くなる主な原因は「軸刈り」

芝生を刈った直後に茶色くなった場合は、軸刈りが起きている可能性があります。

軸刈りとは、芝生を短く刈りすぎた結果、緑色の葉が大幅に失われ、茶色い茎や葉鞘などが目立つ状態です。芝生の根や茎の一部が生きていれば、新しい葉が伸びて回復する可能性があります。

ただし、生長点まで失われた場合や、ほかの原因によって根が傷んでいる場合は、回復に時間がかかったり、部分的に芝生を張り替える必要が生じたりすることもあります。

まずは、軸刈りが起こる仕組みと、芝生の状態を見分けるポイントを確認しましょう。

軸刈りのメカニズムと茶色く変色する理由

芝生の茎には、新しい葉や茎の成長に関わる生長点があります。芝刈りでは、生長点や葉の基部をできるだけ残しながら、伸びた葉先を刈り取ることが基本です。

芝生を短く刈りすぎると、緑色の葉が大幅に失われ、普段は目立たない茶色い茎や葉の根元が露出します。その結果、芝生全体が枯れたように見えることがあります。

葉が減ると光合成を行える面積も小さくなり、芝生に負担がかかります。生長点が残っていれば新しい葉が伸びる可能性がありますが、生長点まで失われた茎は、同じ場所から新しい葉を伸ばせない場合があります。

そのため、芝生が茶色くなったときは、単に色が変わっただけなのか、生育に必要な部分まで傷んでいるのかを見極めることが重要です。

伸びきった芝生で軸刈りが起こりやすい理由

長期間芝刈りをしていない芝生は、一度の作業で短く整えようとすると、軸刈りが起こりやすくなります。

芝生の葉が伸びた状態で低い刈高に設定すると、緑色の葉だけでなく、茎や葉の基部に近い部分まで刈り取ってしまうことがあるためです。

また、芝生の生長点の位置や葉の伸び方は、芝の種類や生育状態によって異なります。伸びすぎた芝生を一気に短くすると、想定以上にダメージを受ける可能性があります。

芝生が伸びてしまった場合は、最初から理想の高さに刈りそろえようとせず、複数回に分けて少しずつ短くしましょう。

枯死と軸刈りを見分けるポイント

芝生が茶色くなった場合は、軸刈りによる一時的な変色なのか、根や茎まで傷んでいるのかを確認します。

見た目だけで判断するのは難しいため、次のポイントをチェックしましょう。

  • 根元や茎の状態: 茎の根元に緑色が残っているか、新しい葉が伸びているかを確認します。
  • 根の状態: 土を少し掘り、根が残っているか、黒ずみや腐敗が見られないかを確認します。
  • 芝生の抜けやすさ: 軽く触れただけで簡単に抜ける場合は、根が傷んでいる可能性があります。
  • 変色の広がり方: 芝刈りした場所全体が一様に茶色いのか、一部だけが斑点状に変色しているのかを確認します。

ただし、根元に緑色が残っていることや、芝生が簡単に抜けないことだけで、回復するかどうかを確実に判断することはできません。

芝刈り直後に全体が茶色くなった場合は軸刈りが疑われますが、部分的な変色が広がっている場合や、根の傷みが見られる場合は、病害虫など別の原因も考えられます。

軸刈り以外で芝生が茶色くなる4つの原因

芝刈りをしていないのに芝生が茶色くなった場合や、芝刈り後に変色が広がる場合は、軸刈り以外の原因も確認しましょう。

代表的な原因として、水分の過不足、病害虫、肥料や除草剤の影響、季節による休眠などが挙げられます。

原因を特定せずに肥料や薬剤を使うと、芝生に余計な負担をかけることがあります。変色の範囲や時期、土壌の状態などを確認しながら、原因に応じた対策を取りましょう。

水不足や過剰な水やりによる根のダメージ

水不足は、芝生が茶色くなる原因の一つです。特に気温が高い時期や雨が少ない時期は、土壌が乾燥し、芝生の葉がしおれたり、茶色く変色したりすることがあります。

一方、水を与えすぎると、土壌中の水分が多くなりすぎて根が酸素不足に陥る場合があります。水はけが悪い場所では根が傷み、芝生の生育が悪くなることもあります。

水やりの頻度や量は、芝生の種類、土壌、天候によって調整することが大切です。地植えの芝生では、土壌の乾燥具合を確認しながら、根のある範囲に水が行き渡るように与えます。

毎日少量ずつ水を与えることが常に適切とは限りません。土壌が乾きやすい時期は十分な量を与え、水はけが悪い場合は水の与えすぎに注意しましょう。

害虫の食害や病気による局所的な変色

芝生の一部だけが円形や不規則な形で茶色くなっている場合は、病害虫の被害が考えられます。

芝生に被害を与える害虫には、コガネムシの幼虫やスジキリヨトウなどがいます。コガネムシの幼虫は土中で根を食害し、スジキリヨトウの幼虫は葉を食害するため、被害の現れ方は異なります。

害虫の種類や被害の程度を確認し、必要に応じて芝生に適用のある薬剤を使用しましょう。原因を確認せずに殺虫剤を散布するのではなく、製品の適用対象や使用方法を確認することが大切です。

また、芝生ではラージパッチなどの病気によって、部分的に茶色くなることがあります。病気の種類によって発生しやすい季節や症状が異なるため、変色の形や広がり方を確認しましょう。

水はけや風通しなどの生育環境を見直すことも大切ですが、エアレーションやサッチの除去がすべての病気に有効とは限りません。病気が疑われる場合は、芝生の種類や症状に応じて対処してください。

肥料の与えすぎや不適切な除草剤の使用

芝生を早く緑色に戻そうとして肥料を多く与えると、肥料焼けを起こすことがあります。

肥料の濃度が高くなりすぎると、根が水分を吸収しにくくなり、葉先の枯れや生育不良につながる場合があります。芝生用肥料を使う際は、製品に記載された使用量や散布方法を守りましょう。

除草剤の使用にも注意が必要です。雑草だけに作用する選択性除草剤と、幅広い植物を枯らす非選択性除草剤では、対象となる植物が異なります。芝生に適用のない製品を使うと、芝生まで傷めるおそれがあります。

除草剤を使用する前に、芝生の種類と製品の適用対象を確認してください。肥料や除草剤を使った後に変色が起きた場合は、使用した製品や量、散布した時期も原因を判断する手がかりになります。

気温の変化や季節的な休眠による冬枯れ

芝生は種類によって、気温の変化に対する反応が異なります。

日本の庭でよく使われる高麗芝などの暖地型芝は、気温が下がる秋から冬にかけて生育が鈍り、休眠に入ると葉が茶色くなります。これは自然な変化であり、必ずしも枯死したわけではありません。春になって気温が上がり、生育に適した環境が整うと、新しい葉が伸びてくることがあります。

一方、寒地型芝は暑さに弱い種類が多く、夏の高温や乾燥によって生育が悪くなる場合があります。

芝生が茶色くなったときは、芝の種類と季節を確認しましょう。休眠による変色が疑われる場合は、無理に肥料を与えたり、水を与えすぎたりせず、生育状態に応じて管理することが大切です。

軸刈りで茶色くなった芝生を回復させる3つのステップ

軸刈りによって茶色くなった芝生は、生長点や根が残っていれば、新しい葉が伸びて回復する可能性があります。ただし、回復にかかる期間は芝の種類や損傷の程度、気温などによって異なります。

また、芝生の状態によっては、目土や肥料を追加する必要がない場合もあります。まずは芝生の根元や土壌の状態を確認し、必要な手入れを行いましょう。

ステップ1:必要に応じて目土を薄く入れる

芝生の表面に凹凸がある場合や、根元の土が不足している場合は、目土を使って状態を整える方法があります。

目土は芝生の生育環境を整えるために使われますが、軸刈りで茶色くなった芝生に必ず必要というわけではありません。土が十分にあり、地面も平らな場合は、無理に追加する必要はありません。

目土を使う場合は、芝生用の目土を選び、茶色くなった部分に薄く均等に広げます。厚く盛りすぎると葉や茎が土に埋まり、新しい葉の成長を妨げることがあるため注意しましょう。

目土を入れた後は、表面を軽くならして土を馴染ませます。芝生の状態を見ながら、必要な範囲だけに使用してください。

ステップ2:土壌の乾燥を確認しながら水やりをする

軸刈りで葉が減った芝生は、回復するまで状態を観察しながら管理しましょう。

水不足になると生育が妨げられますが、常に土を湿らせておけばよいわけではありません。水はけが悪い場所では、過剰な水やりによって根が傷むおそれがあります。

土壌の乾燥具合や天候を確認し、必要に応じて水を与えます。水を与える際は、地表だけを濡らすのではなく、根のある範囲に水が行き渡るようにしましょう。

気温が高く乾燥しやすい時期は水切れに注意し、雨が続く時期や水はけの悪い場所では水の与えすぎを避けます。芝生の状態に合わせて水分を管理することが大切です。

ステップ3:生育状況に応じて肥料を与える

芝生が茶色くなった直後に、回復を急いで肥料を多く与えるのは避けましょう。根が傷んでいる場合や、芝生が休眠している場合は、肥料を与えても期待する効果が得られないことがあります。

まずは芝生の種類や生育期を確認し、新しい葉が伸び始めているかを観察します。生育期で、肥料が必要な状態であれば、芝生用肥料を製品の説明に従って与えましょう。

肥料の種類や使用量、施肥時期は製品によって異なります。液体肥料や粒状肥料を使用する際も、規定の濃度や量を守ることが重要です。

なお、生長点が失われた部分や、根が大きく傷んだ部分は、肥料だけでは回復しない場合があります。新芽が出ない状態が続く場合は、原因を改めて確認し、必要に応じて部分的な張り替えを検討しましょう。

伸びすぎによる茶色化を防ぐ日常的なメンテナンス

芝生が茶色くなるのを防ぐには、伸びすぎてから一度に短く刈るのではなく、適切な高さを保ちながら定期的に管理することが大切です。

芝刈りの方法だけでなく、地面の凹凸や芝生の種類、季節ごとの生育状況にも目を向けましょう。ここでは、軸刈りを防ぐために意識したい4つのポイントを紹介します。

芝刈りの基本「3分の1ルール」を意識する

芝生を刈る際は、1回の芝刈りで刈り取る長さを、現在の草丈の3分の1程度までに抑える方法がよく用いられます。これは、芝生への負担を減らし、緑色の葉を十分に残すための考え方です。

例えば、草丈が6cmの場合、1回で刈り取る長さを約2cmまでに抑えれば、残る草丈は約4cmです。ただし、適切な刈高は芝の種類や用途によって異なるため、3分の1ルールだけでなく、芝生に適した高さも確認しましょう。

芝生が大きく伸びてしまった場合は、一度に短く刈らず、複数回に分けて少しずつ整えます。急に刈高を下げると、軸刈りが起こる可能性があるため注意してください。

刈高を調整できる芝刈り機で段階的に刈る

芝生を適切な高さに保つには、刈高を調整できる芝刈り機が便利です。芝生が伸びすぎている場合は、高めの刈高から始め、芝の状態を確認しながら段階的に短くしていきます。

ただし、次の芝刈りまでに空ける期間は、芝の種類や成長速度、天候によって異なります。数日後に必ず刈るのではなく、新しい葉の伸び具合や芝生への負担を見ながら作業しましょう。

また、芝刈り機の刃が切れにくくなっていると、葉をきれいに切れず、傷みの原因になる場合があります。刃の状態や機器の使用方法も定期的に確認してください。

地面の凹凸を整えて刈りムラを防ぐ

芝生の下にある地面に凹凸があると、芝刈り機を同じ高さに設定していても、場所によって刈り込まれる深さが変わります。

地面が盛り上がっている部分では刃が芝生に深く入り、局所的に軸刈りが起こることがあります。同じ場所だけ茶色くなったり、芝生が短く刈られすぎたりする場合は、地面の凹凸も確認してみましょう。

小さなくぼみは、芝生の状態に応じて目土を少しずつ加えることで整えられる場合があります。一方、盛り上がりが大きい場所は、芝生の根を傷めないよう慎重に整地する必要があります。

凹凸が目立つ場合は、無理に一度で修正せず、芝生の生育状況を確認しながら作業しましょう。

季節と芝生の種類に合わせて芝刈りの頻度を調整する

芝生の成長速度は、種類や気温、日当たり、水分などによって変わります。そのため、芝刈りの頻度を一律に決めるのではなく、草丈や生育状況に合わせて調整することが大切です。

高麗芝などの暖地型芝は、気温が高い生育期に成長が活発になります。この時期は芝生が伸びるペースに合わせて芝刈りの回数を増やし、伸びすぎる前に整えましょう。

一方、気温が低く成長が緩やかな時期は、芝刈りの頻度を減らせます。休眠期に入った芝生を無理に短く刈る必要はありません。

日頃から芝生の状態を観察し、伸びすぎる前に刈る習慣をつけることで、軸刈りのリスクを抑えやすくなります。

まとめ

伸びすぎた芝生を短く刈った後に茶色くなった場合、原因の一つとして考えられるのが「軸刈り」です。緑色の葉が失われ、茶色い茎や葉の根元が目立つ状態ですが、生長点や根が残っていれば回復する可能性があります。

回復を目指す際は、まず芝生の根元や土壌の状態を確認しましょう。必要に応じて目土を薄く入れ、土壌の乾燥具合に合わせて水やりを行います。肥料は、芝生の種類や生育状況を確認したうえで、適切な時期と量で与えることが大切です。

軸刈りを防ぐには、芝生を一度に短く刈りすぎず、草丈の3分の1程度までを目安に段階的に刈り込む方法が有効です。刈高の調整や地面の凹凸の修正、季節に合わせた管理も意識しましょう。

芝生が茶色くなる原因は一つではありません。変色した時期や範囲、根元の状態を確認し、原因に合った手入れを行うことが、健康な芝生を維持するためのポイントです。