シロアリ駆除業者が行う施工は、適切な対策を講じればペットへの影響を最小限に抑えられます。現在主流となっているシロアリ駆除剤は、哺乳類に対する毒性が非常に低く作られています。犬や猫といった一般的なペットに対する安全性は確立されています。
駆除作業で使用される薬剤には「選択毒性」という特性があります。標的となる昆虫の神経系にのみ強く作用し、人間や犬猫などの恒温動物には影響が出にくい仕組みです。ペットの種類によっては薬剤に敏感なケースもあるため、事前の準備は欠かせません。
鳥類や爬虫類、観賞魚などは薬剤の成分に対してデリケートな反応を示すことがあります。ペットの種類に合わせた適切な避難や保護を行うことが、安全なシロアリ駆除の絶対条件となります。本記事では、ペットの種類別対策や安全な施工方法を詳しく解説します。
シロアリ駆除の薬剤がペットに与える影響と毒性について

シロアリ駆除剤の毒性は、ペットの生物学的な分類によって大きく異なります。哺乳類に対しては安全性が高い反面、水生生物や昆虫類には致命的なダメージを与える可能性があります。ペットの種類を正確に把握し、個別のリスクを評価することが重要です。
シロアリ駆除剤は毒性がありますかという疑問に対しては、対象生物によって毒性が変化すると回答できます。害虫を駆除する目的で作られている以上、完全に無害というわけではありません。使用環境や濃度を誤れば、ペットの健康を脅かす要因となります。
ペットへの影響をゼロに近づけるためには、薬剤の特性を理解した専門業者を選ぶ必要があります。シロアリ薬剤の室内への影響を最小限に抑える施工技術を持つ業者に依頼することが最善の対策です。
哺乳類(犬・猫・うさぎ・ハムスター)への影響
シロアリ駆除において、犬は大丈夫なのかと不安に感じる飼い主は多数存在します。犬や猫、うさぎ、ハムスターなどの哺乳類は、シロアリ駆除剤による深刻な影響を受けにくい動物です。哺乳類の体内には薬剤成分を素早く分解し、無毒化して排出する酵素が備わっています。
床下に散布された薬剤が揮発して室内に流れ込んでも、重篤な中毒症状を引き起こすリスクは極めて低いです。床下への興味からペットが施工中のエリアに侵入してしまう事故には注意を払う必要があります。特に猫は暗く狭い場所を好む習性があり、薬剤散布直後の床下に潜り込む危険性が高いです。
薬剤が直接皮膚に触れたり、付着した足の裏を舐めたりすると、一時的な体調不良を招く恐れがあります。嘔吐や下痢、食欲不振などの軽度な症状が現れるケースも報告されています。施工中はペットを別室に隔離し、床下への入り口を物理的に封鎖する措置が必須です。
鳥類(インコ・オウム・文鳥など)への影響
シロアリ駆除におけるインコやオウムなどの鳥類への影響は、非常に深刻な問題として捉えるべきです。鳥類は哺乳類と比較して呼吸器系が特殊な構造をしており、空気中の有毒物質を極めて効率よく吸収してしまいます。微量の化学物質や薬剤の臭いだけでも、呼吸困難や神経症状を引き起こす危険性が高いです。
換気扇を回している程度では、鳥類の安全を完全に確保することは困難を極めます。微粒子となって空気中を漂う薬剤成分が鳥の呼吸器に侵入すると、最悪の場合は命に関わる事態に発展します。鳥類を飼育している家庭では、シロアリ駆除当日の徹底した隔離対策が求められます。
最も確実な安全対策は、施工の数日前からペットホテルや知人宅へ避難させることです。自宅内で隔離する場合は、施工エリアから最も遠く、完全に密閉できる部屋を用意する必要があります。ケージの周囲をビニールシートで覆うなどの二重の防護策を講じることが推奨されます。
魚類(メダカ・金魚・熱帯魚)への影響
メダカや金魚、熱帯魚などの水生生物は、シロアリ駆除剤に対して極めて脆弱です。多くの殺虫剤に含まれる成分は、水中に溶け込むと魚類の呼吸器であるエラに直接的なダメージを与えます。わずかな薬剤の飛沫や揮発成分が水槽に混入するだけで、水槽内の魚が全滅する恐れがあります。
ピレスロイド系と呼ばれる薬剤成分は、魚類に対する毒性が特に強いことで知られています。室内に水槽を設置している場合、エアーポンプを通じて空気中の薬剤成分が水中に取り込まれる危険性が高いです。施工中は必ずエアーポンプの電源を切り、水槽全体を厚手のビニールシートで完全に密封しなければなりません。
移動可能な小型の水槽であれば、屋外や完全に隔離された別室へ避難させることが最良の選択です。玄関先や床下点検口の近くに大型水槽が固定されている場合は、施工業者に状況を共有し、養生を徹底してもらう必要があります。
爬虫類(トカゲ・ヘビ・カメ)への影響
シロアリ駆除における爬虫類への影響も、軽視できない重要な課題です。トカゲやヘビ、カメなどの爬虫類は変温動物であり、哺乳類のように体内で薬剤を素早く分解する能力を持っていません。殺虫成分が体内に蓄積しやすく、神経系に深刻なダメージを受けるリスクが非常に高いです。
爬虫類はケージ内の温度管理が必須であり、換気のために外気を取り込む構造の飼育設備が多い点もリスクを高めます。空気中の薬剤成分がケージ内に流れ込むと、徐々に体力を奪われ、致命的な状態に陥る危険性があります。鳥類と同様に、爬虫類も薬剤に対する感受性が高いペットとして厳重な保護が必要です。
シロアリ駆除を実施する際は、爬虫類のケージを施工エリアから完全に切り離すことが求められます。可能であれば別棟や外部の施設へ一時的に移動させることが最も安全な対応策です。自宅内に留める場合は、隙間風が入らない部屋を選び、ドアの隙間をテープで目張りするほどの徹底した隔離が必要となります。
昆虫類(カブトムシ・クワガタなど)への影響
カブトムシやクワガタといった昆虫類のペットは、シロアリと同じ分類に属するため、駆除剤の直撃を受けます。シロアリ駆除剤は昆虫の神経系を破壊するように設計されており、カブトムシなどにとっても猛毒として作用します。施工現場と同じ空間に昆虫類のケージを置くことは絶対に避けるべきです。
薬剤の散布中はもちろん、施工後に揮発した微量の成分を吸い込むだけでも、昆虫類は命を落としてしまいます。哺乳類とは異なり、微細な濃度であっても確実な致死効果を発揮するのが殺虫剤の特性です。昆虫類を飼育している部屋での薬剤使用は厳禁となります。
大切な昆虫類を守るためには、施工の数日前から家屋の外や別宅へ完全に移動させることが唯一の解決策です。家屋内で密閉保管したとしても、人間の衣服に付着した成分を通じて影響が及ぶ可能性すらあります。物理的な距離を確実に取ることが、昆虫のペットを守る絶対条件です。
シロアリ駆除で使用される薬剤の種類と安全性

シロアリ駆除業者が使用する薬剤には複数の種類があり、それぞれ効果の出方や安全性が異なります。現在の日本国内で認可されている薬剤は、公益社団法人日本しろあり対策協会の厳しい安全基準をクリアしたものばかりです。薬剤の特性を理解することで、ペットへのリスクを正確に把握できます。
業者がどの系統の薬剤を使用するかによって、必要な養生や換気の期間が変わってきます。見積もりや現地調査の段階で、使用予定の薬剤名とその安全データシート(SDS)の提示を求めることが重要です。主要な薬剤の成分とその特徴について詳しく解説します。
ネオニコチノイド系薬剤の特徴
ネオニコチノイド系は、現在のシロアリ駆除において最も広く普及している主流の薬剤です。タバコに含まれるニコチンに似た構造を持ち、昆虫の神経伝達物質にのみ強く作用する特性を持っています。人間や犬、猫などの哺乳類に対しては毒性が極めて低く、非常に安全性が高いと評価されています。
この薬剤の最大の強みは「遅効性」と呼ばれる、効果がゆっくりと現れる性質にあります。薬剤に触れたシロアリはすぐには死なず、巣に帰って他の個体と触れ合うことで成分を伝播させます。ドミノ倒しのように巣全体を壊滅させることができるため、駆除効率が非常に高いです。
哺乳類には安全ですが、昆虫に対しては強力に作用するため、カブトムシなどのペットには厳重な注意が必要です。揮発性が低く、空気中に成分が飛び散りにくいため、シロアリ薬剤の室内への影響を抑えたい家庭に最適です。
ピレスロイド系薬剤の特徴
ピレスロイド系は、家庭用の殺虫スプレーや蚊取り線香などにも広く使われている馴染み深い成分です。除虫菊という植物に含まれる天然成分を化学的に合成したもので、昆虫に対して即効性のある神経麻痺を引き起こします。シロアリに直接吹きかけることで、瞬時に活動を停止させることが可能です。
光や空気に触れると速やかに分解される性質があり、環境への残留期間が短いというメリットがあります。哺乳類に対する安全性は高いものの、冷血動物に対する毒性が非常に強い点が大きなデメリットです。魚類や爬虫類、両生類に対しては猛毒となるため、これらのペットがいる家庭での使用は慎重にならざるを得ません。
水槽のある部屋や、池のある庭先での散布は絶対に避けるべきです。ペットの種類によっては、業者にピレスロイド系以外の薬剤への変更を相談することが推奨されます。
フェニルピラゾール系・フェニルピロール系の特徴
フェニルピラゾール系は、極めて微量でも高い駆除効果を発揮する強力な薬剤成分です。ネオニコチノイド系と同様に遅効性であり、シロアリ同士の接触を通じて巣全体へ効果を広げることができます。土壌への定着性が高く、長期間にわたってシロアリの侵入を防ぐバリア効果を維持します。
フェニルピロール系は、シロアリの細胞内におけるエネルギー代謝を阻害し、呼吸器系に障害をもたらす成分です。こちらも効果の現れ方が緩やかであり、哺乳類に対する毒性が低く抑えられています。いずれの薬剤も揮発性が低く、室内への臭い戻りや成分の飛散が少ないのが特徴です。
これらの薬剤は効果が長持ちする分、土壌にしっかりと留まるように設計されています。ペットが床下の土を直接掘り返したり、舐めたりする行為を確実に防ぐ環境づくりが求められます。
ペットを守るためのシロアリ駆除前の必須対策

シロアリ駆除を依頼する際、事前の準備を怠るとペットに思わぬ健康被害をもたらす危険があります。業者任せにするのではなく、飼い主自身が主体となってペットを守るための環境を整えることが重要です。施工前に実施すべき具体的な対策について解説します。
事前の情報共有と物理的な隔離対策を徹底することで、ほとんどのリスクを排除できます。ペットの性格や習性を最も理解しているのは飼い主自身です。ペットがパニックを起こさず、安全に過ごせる空間を確保するための手順を確認しておきましょう。
業者への事前申告と入念なヒアリング
シロアリ駆除業者への見積もり依頼や現地調査の段階で、ペットを飼育している事実を必ず伝えてください。ペットの種類、年齢、現在の健康状態、過去のアレルギー歴などの詳細な情報を共有することが最初のステップです。老犬や持病のあるペットの場合は、特に慎重な配慮が必要となります。
優良な業者であれば、ペットの存在を考慮した薬剤の選定や施工プランを提案してくれます。施工当日の作業手順や、薬剤が散布される正確な範囲、立ち入り禁止となるエリアについて詳細なヒアリングを行いましょう。安全データシート(SDS)を見せてもらい、獣医師に事前に相談しておくのも非常に有効な対策です。
疑問点や不安な要素があれば、契約前にすべて解消しておくことがトラブル防止に繋がります。ペットへの配慮を面倒がるような業者は避け、親身に対応してくれる信頼できる業者を選ぶことが大切です。
退避場所の確保と生活空間の完全分離
施工中の最も確実な安全対策は、ペットを現場から物理的に遠ざけることです。可能であれば、施工当日は親戚や友人の家、あるいは使い慣れたペットホテルへ一時的に預ける手配を進めましょう。現場から完全に離れることで、薬剤の吸入リスクや騒音によるストレスをゼロにできます。
自宅内で避難させる必要がある場合は、床下点検口や作業エリアから最も離れた2階の部屋などを待機場所に設定します。その際、ドアの隙間から薬剤の成分や臭いが入り込まないよう、マスキングテープや養生シートで目張りを行います。エアコンの稼働による空気の循環にも注意し、外部の空気を取り込まない設定にしておくことが望ましいです。
作業員が頻繁に出入りする動線と、ペットの避難部屋が重ならないように配慮することも重要です。不意の脱走や作業員との接触を防ぐため、ケージに入れた状態で静かに過ごさせる環境を整えてください。
ペット用品(食器・おもちゃ)の事前保護
ペットの身体だけでなく、普段使用している生活用品も薬剤から保護する必要があります。床に近い場所に置かれている食器や水飲みボウルには、舞い上がった薬剤の微粒子が付着するリスクがあります。施工前にすべてのペット用品を別の部屋に移動させるか、ビニール袋に入れて完全に密封してください。
お気に入りのおもちゃや毛布、クッションなどの布製品は、一度薬剤を吸収すると成分が残留しやすい性質があります。布製品に付着した薬剤をペットが舐めたり噛んだりすると、間接的な経口摂取に繋がります。施工エリア周辺に置かれている布製品は、事前の撤去が必須です。
キャットタワーや大型のケージなど、移動が困難な設備については、上からブルーシートや大型のポリ袋を被せて養生します。万が一、養生を忘れて現場に残してしまった用品は、使用を再開する前に必ず入念な水洗いと乾燥を行ってください。
シロアリ駆除施工中から施工後にかけての注意点

シロアリ駆除の作業が始まった後から完了した後の期間も、気を抜かずにペットの安全管理を継続する必要があります。薬剤の散布直後が最も室内の空気環境が変化しやすいタイミングです。作業中と作業後の適切な行動指針について詳しく説明します。
特に施工後の換気と清掃は、ペットが安全に日常生活へ戻るための重要なプロセスとなります。人間の嗅覚では気づかないわずかな臭いや成分にも、嗅覚の鋭い動物はストレスを感じます。飼い主の判断で焦ってペットを解放せず、十分な安全確認を行うことが大切です。
施工中の立ち入り制限と安全確保
駆除作業が進行している間は、ペットが施工エリアに絶対に近づかないよう監視を徹底してください。床下点検口が開いた状態の現場は、猫や小型犬にとって絶好の探検場所に見えてしまいます。作業員の目を盗んで床下に潜り込んでしまえば、薬剤を直接浴びてしまう大事故に直面します。
ペットがパニックを起こして逃げ出すのを防ぐため、ケージやキャリーバッグの中で待機させることが最も安全です。電動工具の駆動音や見知らぬ作業員の出入りは、ペットに多大な精神的ストレスを与えます。飼い主がそばに付き添い、声をかけながら安心させることでストレスの軽減を図りましょう。
鳥類や爬虫類のいる部屋は、事前に施した目張りや養生シートを絶対に剥がしてはいけません。作業員に対しても、該当の部屋には絶対に立ち入らないよう明確な指示を出しておくことが事故防止に役立ちます。
施工後の換気と床面の徹底清掃
駆除作業が完了した後は、家全体の窓やドアを開け放ち、徹底的な換気を実施します。サーキュレーターや扇風機を活用して室内の空気を強制的に循環させ、揮発した薬剤成分を屋外へ追い出します。少なくとも24時間、可能であれば48時間は積極的な換気を継続することが推奨されます。
換気と並行して、床面や幅木、家具の表面などを中性洗剤を含ませた雑巾で水拭きしてください。目に見えない微細な薬剤の粒子が付着している可能性を考慮し、ペットの生活空間を中心に念入りに清掃します。水拭きの後は乾拭きを行い、洗剤の成分も残さないように仕上げることが重要です。
人間が薬剤の臭いを全く感じなくなったことを確認してから、ペットの隔離を徐々に解除します。いきなり全室を開放するのではなく、少しずつ行動範囲を広げながら様子を観察してください。
ペットの体調に異変が生じた場合の緊急対応
施工後、数日間にわたってペットの行動や体調に異常がないか、注意深く観察を続けてください。シロアリ駆除剤の影響による初期症状としては、食欲の低下、不自然なよだれ、繰り返す嘔吐や下痢などが挙げられます。足元のふらつきや、けいれん、激しい咳などの症状が見られた場合は、重度の中毒症状を疑うべきです。
少しでも普段と違う様子に気づいた際は、自己判断で様子を見ることなく、直ちに動物病院を受診してください。受診の際には、シロアリ駆除を実施した直後である事実を獣医師に必ず伝えます。事前に業者から受け取っていた使用薬剤の名称や安全データシート(SDS)を持参することで、迅速かつ的確な処置を受けられます。
万が一の事態に備え、夜間や休日に対応可能な救急動物病院の連絡先をあらかじめリストアップしておくと安心です。迅速な初期対応がペットの命を救う最大の鍵となります。
ペットへの安全性が最も高いシロアリ駆除「ベイト工法」

シロアリ駆除において、室内に薬剤を散布すること自体に強い抵抗を感じる飼い主も少なくありません。そのような場合、床下への薬剤散布を行わない「ベイト工法」という画期的な選択肢が存在します。ペットの安全を最優先に考える家庭にとって、最も理想的な駆除方法と言えます。
ベイト工法は、一般的な散布方式とは根本的に異なるアプローチでシロアリを撃退します。室内環境や空気の質に一切の影響を与えないため、デリケートなペットを飼育している家庭に広く支持されています。ベイト工法の仕組みとメリットについて深掘りして解説します。
毒エサを用いたベイト工法の仕組み
ベイト工法とは、建物の外周を取り囲むように、専用の容器(ステーション)を土中に埋め込む駆除方法です。この容器の中には、シロアリが好んで食べる木材と一緒に、昆虫の脱皮を阻害する成分を含んだ毒エサが仕込まれています。エサを発見した働きアリが巣に持ち帰り、仲間に分け与えることで巣全体を根絶やしにする仕組みです。
使用される成分は、昆虫特有の「脱皮」という生理現象を妨害するものです。脱皮をしない哺乳類や鳥類、魚類にはそもそも作用するメカニズムが存在しないため、絶対的な安全性が担保されています。毒エサは専用の硬いプラスチック容器に密閉されているため、犬が庭を掘り返して誤飲するリスクも防止されています。
定期的に業者が訪問して容器の中身を点検し、エサの減り具合からシロアリの活動状況を監視します。薬剤の散布が一切ないため、ペットを避難させたり、水槽を養生したりする手間が完全に省けます。
バリア工法(散布方式)との違いとデメリット
一般的なバリア工法(散布方式)は、床下の土壌や木材に直接薬剤を大量に吹き付け、シロアリの侵入を即座に阻む方法です。即効性が非常に高く、すでに発生しているシロアリ被害を食い止めるには絶大な効果を発揮します。作業が1日で完了し、ベイト工法と比較して費用が安価に収まる傾向があります。
対してベイト工法は、シロアリが毒エサを見つけて巣に持ち帰るまでに時間がかかるため、即効性は期待できません。完全に巣を消滅させるまでに数ヶ月の期間を要するケースもあります。すでに家屋の柱がボロボロに食べられているような重度の被害状況には適していません。
専用容器の設置と定期的な点検作業が必要となるため、年間を通じた維持管理費用が発生し、総コストが高額になります。ペットの安全という最大のメリットと、時間・コスト面のデメリットを天秤にかけ、専門業者と協議して決定することが求められます。
シロアリ被害を放置することがペットに及ぼす二次被害

薬剤の影響を過剰に恐れるあまり、シロアリの発生を知りながら放置することは最も危険な選択です。シロアリによって家屋の耐久性が低下するだけでなく、ペット自身の健康や安全を直接的に脅かす事態を招きます。駆除を後回しにすることで生じる重大な二次被害について解説します。
シロアリは単なる木材を食べる害虫にとどまらず、住環境全体の衛生状態を著しく悪化させます。ペットは人間よりも床に近い空間で生活しており、環境悪化のダメージを真っ先に受け止めてしまいます。早期の駆除決断がペットの命を守ることに繋がります。
兵隊アリによるペットへの噛みつき被害
シロアリのコロニー(巣)には、外敵から仲間を守る役割を担う「兵隊アリ」という階級が存在します。兵隊アリは非常に好戦的であり、鋭く発達した巨大な顎を持っています。家の中にシロアリが溢れ返り、ペットが興味本位で巣や蟻道に近づいた場合、兵隊アリが一斉に襲いかかってくる危険があります。
兵隊アリの顎は硬い木材を容易に噛み砕くほどの力を秘めています。犬や猫の柔らかい鼻先や肉球を噛み切られれば、強烈な痛みと出血を伴う怪我に直面します。噛まれた傷口から雑菌が入り込み、深刻な化膿や感染症を引き起こすケースも否定できません。
特に好奇心旺盛な子犬や子猫は、動く昆虫に対して無警戒に手を出してしまいます。ペットに痛い思いをさせないためにも、シロアリの存在を確認した時点で速やかに駆除業者を手配すべきです。
湿気とカビの繁殖によるアレルギーリスク
シロアリが好んで生息する場所は、例外なく風通しが悪く、湿気が大量に滞留している空間です。シロアリが活発に活動している床下や壁の内部では、同時に大量のカビや腐朽菌が増殖していると考えるのが自然です。これらの菌が放出する微細な胞子は、床の隙間を通じて人間の居住空間に絶えず流れ込んできます。
床面スレスレの空気を吸って生きているペットは、人間以上に高濃度のカビ胞子を吸入し続けることになります。大量のカビ胞子は、ペットの重篤な気管支炎や肺炎、皮膚炎などのアレルギー疾患を引き起こす直接的な原因となります。一度アレルギーを発症すると、完治までに長い時間と高額な治療費を費やすことになります。
シロアリ駆除業者は、害虫の駆除と同時に床下の湿気対策や換気システムの提案も行ってくれます。シロアリを排除し、床下環境を乾燥させることが、ペットをアレルギーから守る根本的な解決策となります。
安全なシロアリ駆除業者の選び方

シロアリ駆除の成功とペットの安全は、依頼する業者の技術力と知識量に完全に依存しています。価格の安さだけで業者を選ぶと、安全配慮に欠けた乱暴な施工をされ、取り返しのつかない事態を招く恐れがあります。ペットを飼育している家庭が優良業者を見極めるための基準を提示します。
プロフェッショナルとしての認定資格の有無や、事前調査の丁寧さは、業者の信頼度を測る明確なバロメーターです。大切な家族であるペットの命を預けるにふさわしい、質の高い業者選びのポイントを解説します。
しろあり防除施工士の資格を持つ業者を選ぶ
シロアリ駆除業界には、公益社団法人日本しろあり対策協会が認定する「しろあり防除施工士」という専門資格が存在します。この資格を取得している作業員は、シロアリの生態から薬剤の化学的特性、安全な取り扱い方法に至るまで、高度な専門知識を有しています。ペットへの影響を最小限に抑えるためのノウハウも熟知しています。
ホームページやチラシを確認し、現場に派遣されるスタッフがこの資格を保有しているかを確認してください。会社の代表者だけが資格を持っており、現場には無資格のアルバイトが来るような業者は避けるべきです。有資格者が直接現場を指揮し、責任を持って施工にあたる体制が整っている業者を選びましょう。
資格を持ったプロフェッショナルであれば、ペットの種類に応じた最適な養生方法や、換気のタイミングについて的確なアドバイスを提供してくれます。
丁寧な事前調査と保証内容を確認する
優良なシロアリ駆除業者は、施工前の現地調査とヒアリングに十分な時間を割きます。床下だけでなく、水槽の有無やペットの生活動線を詳細に確認し、リスクを洗い出した上で見積もりを提示してくれます。一方的に契約を迫ったり、ペットの存在を軽視したりする業者は、その時点で候補から外すべきです。
施工後の保証内容の充実度も、業者の自信と責任感を表しています。一般的な優良業者であれば、施工後5年間の再発保証や、毎年の無料定期点検制度を設けています。万が一再発した場合の無償再施工の有無など、保証の規約を契約前にしっかりと読み込んでください。
ペットの健康状態に関する免責事項など、細かな契約条件についても質問を投げかけましょう。誠実に回答し、不安を解消してくれる業者こそが、長く付き合える信頼のパートナーとなります。
まとめ

シロアリ駆除は、使用する薬剤の特性を理解し、適切な対策を講じることでペットへの影響を防ぐことが十分に可能です。犬や猫などの哺乳類に対しては安全性が高い薬剤が主流ですが、鳥類や魚類、爬虫類などは薬剤の成分に過剰に反応するため、事前の確実な避難や密閉保護が必須となります。
ペットを守るためには、施工業者への詳細な事前相談、安全な退避場所の確保、おもちゃや食器の保護といった飼い主の積極的な管理が欠かせません。どうしても室内への薬剤散布に不安が残る場合は、外部に毒エサを設置する安全なベイト工法を選択することも一つの有効な手段です。
シロアリ被害を放置すれば、カビの発生によるアレルギー疾患や兵隊アリの攻撃など、ペットに更なる健康被害をもたらします。しろあり防除施工士が在籍する信頼できる専門業者を選び、ペットの安全と快適な住環境の両立を実現しましょう。

